lemonの掃き溜め

日々の生活や考え事、妄想などをただ綴ってるだけ。

イチゴ飴

小さい頃から飴玉が好きだった。ひとくちに飴と言っても棒付きのものから個装になっているもの、フルーツ味からシュワシュワするもの、ミルク系までなんでもあるが、数種類のフルーツ味の個装キャンディがミックスになっている大袋のものがいちばん好きだった。スーパーに寄れば必ず買ったし、自室の机の上には必ず飴のストックがあった。

精神を拗らせてしまった学生時代、食事をまともに摂ることもままならず、1日の食事がカップサイズのスープはるさめと飴玉数個だけという生活が半年ほど続いた。何も食べる気が起きなくて、それでも大好きな飴だけは手が伸びた。色々な味が入っているが、ピーチやメロン、マスカットがすきだった。オレンジ味は何故か舌がピリつくけれど、それもまたよい。あの頃は大変お世話になりました。

 

最近、100円ショップに用があって諸々を買い込んでいると、レジ横のお菓子コーナーに飴が並んでいて、ちょうど手持ち無沙汰だったから何か小さいものをひとつ買おうと思った。

は〜最近は色んなものがあるのね、なんて思いながら棚を眺めていると、真っ赤な宝石が目に飛び込んできた。イチゴ飴である。

イチゴ飴といっても本当に苺の味かと言われるとハッキリ頷けるものではなくて、何せパッケージ裏の原材料名には「砂糖、水飴、マルチトール、いちご果汁パウダー、酸味料、香料、着色料(赤102)」と、いちばん大切に思える苺の果汁パウダーが原材料名の四番目に位置するのだから、もうこれは苺というより殆ど砂糖の塊である。具体的に味の説明をするならば、かき氷シロップのような味、だろうか。

色と香りで誤魔化しているような、人工的な苺味。よく駄菓子屋なんかで見かけるやつ。

だけどわたしはこれが好きだった。いつも買う大袋に入っている、本物の苺味の飴も好きだけれど、どうにもこの人工的な甘さが好きだった。

なんというか、メロンパンに近いものを感じる。メロンパンだって本当にメロンが入ってるかと言われればそれは微々たるもので、でもそこには確かにメロンの芳醇な香りが広がっているわけだ。

このイチゴ飴はやや大きめで、ひとたび口に入れればなかなか溶けない代物だが、それもまたいい。

よく溶け終わりの小さなキャンディを噛んでしまうかそのまま舐め続けるか、という話があるが、わたしは断然舐め続ける派だ。お菓子といえど広し、チョコレートや煎餅にスナック菓子など様々な種類があるが、わたしがその中でも飴を選ぶのは"噛まなくていいから"である。

本来そこまで菓子類を食べるほうではないのだが、執筆作業中など口寂しいときは何か食べたくなってしまう性分なので、そうしたときに飴をひとつ放り込むと程よい甘さと舌先の退屈しのぎに癒されるのだ。

だから、食べることに集中しなくて済む飴玉が好きである。

 

ああ、もうイチゴ飴が溶け切ってしまうな。

それでは、また次回。