lemonの掃き溜め

日々の生活や考え事、妄想などをただ綴ってるだけ。

追憶と欠片

昨夜、なんとなく憂鬱な気分に揺られて独りぼんやりとベッドに横たわっていた時、ふと思い出したことがある。

それは、昔からぼくが大切にしてきた感情だった。

ぼくには、とある憧れの人が居る。本当に綺麗で、儚くて、それでいて芯のある強い人だった。

初めてその人がステージの上に立っているのを見た時、スポットライトだとか、そんなものを抜きにして、凄く凄く輝いていたのだ。

その姿を見た時、軸が揺さぶられて自然と涙を流した記憶がある。

何か感動する歌を聞いたわけでもないのに、意図せずとも両の目からボタボタと雫が落ちた。

純粋に、美しいと思った。

雑誌のインタビューなどでその人がどういった環境で育ったとか、どういう気持ちでその仕事に就いただとか、そういうことを知っていたので余計に涙が出た。

自分が「なりたい」と望んだ姿に、努力して努力して、今こうしてステージに立っているのだと思うと、どうしようもなく眩しかった。

ぼくは、そうなりたかったのだ。

自分が目指した姿に努力して辿り着く。そんな、一見単純そうで、凄く難しいことにぼくは憧れていた。

昔から努力嫌いで、何をするにも諦めがちで、大体のことは「まあいいや」「どうでもいい」「興味が無い」と一蹴りにしてきた。

出来ないことを出来るようになろうと思ったことなんて無かった。出来ないものは出来ないと思っていた。

自分に自信が無くて、どうせ無理だと思っていた。

だからぼくには、その人が本当に綺麗に見えたのだ。

 

ぼくも、その煌めきが欲しい。

 

そう思った。

その煌めきに憧れて、ぼくはその時ちょうど諦めかけていたことを見失わずに済んだのだ。

 

なのに、どうして今まで忘れていたのだろう。

こんな大切な感情を、まるで何事も無かったかのように忘れていた。

いくら憂鬱に揺られ希死念慮に襲われても、絶対にぼく自身を見失わないでいられた魔法だった。

それすら忘れてしまうほどに、自分が失われていたのかと思うと正直恐ろしい。

これを思い出したことによって、少し楽になった。

もしかしたら、また見失ってしまうかもしれない。そうした時に、また見つけられるようにここに記した。

いつになるか分からないけど、その時を迎えた自分はきっと、あの人と同じように星になれているはずだから。