lemonの掃き溜め

日々の生活や考え事、妄想などをただ綴ってるだけ。

水溜り

梅雨。じめじめとした湿気が、重くのしかかってくる季節。

私はそんな季節が、昔は嫌いだった。髪はうねるし、蒸し暑いし。でも、夜の雨は好きだ。パラパラとコンクリートに打ち付けられる雨音が心地良くて、ちょっとだけ涼しくて、そして何より夜の闇が少し穏やかになるから。

今は、少しだけ梅雨を好きになれたような気がする。むしろ反対に、晴れはあまり好きじゃない。青空に、太陽に、嗤われているような気がするから。今の私に、青空は不釣り合いだ。

 

 

よく、「貴女は''昼''というより、''夕方''もしくは''夜明け''って感じがするよね。」と言われる。自分でもなんとなくそう思うし、我ながら朝や昼はあまりに似合わないなぁ、と笑ってしまう。

以前、知人に「ふとした瞬間に悲しそうな表情を浮かべることがあるよね。」と指摘されたことがある。特に悲しいことがあったわけでもないのだろうが、根がそんなに明るい方ではないので、きっと私は小雨のような人間なのだろう。ジトリ、張り付くような空気感と、雲に覆われた太陽のぼんやりと霞んだ光が、なんとなく自分のようだと思った。

 

 

先日、バイト帰りに予想外の雨に降られ、土砂降りの中を傘もカッパもないまま自転車で走り抜けた事があった。

普段、私はあまり外出をしない方というのもあり、雨が降っていたらまず外に出るなんてことはないのだが仕事なら仕方がない。数年ぶりに雨に打たれ、全身ずぶ濡れで帰路に着いた。

肌にまとわりついた服が気持ち悪くて仕方なかったけど、それと同時になんだか心地良かったのを覚えている。たまには、雨の日に出掛けるのも悪くないな、と思った。

 

 

成長するにつれ、一人で行動する事が増えた気がする。元々友人は少ないのであまり大人数でどこかへ行く、という事自体がそもそも滅多に無いのだが、多少の金銭の余裕が出来たことによりフラフラと宛ても無く街を歩くことが多くなった。

誰に邪魔されるわけでもなく、イヤフォンから流れる好きな音楽で世界を閉じ込めて、誰に急かされるわけでもなく、のんびり自分の歩幅で歩く。歩き疲れたら喫茶店に入って、一息ついたらまた歩き出して。

ふと立ち寄った雑貨屋で見つけた小物が可愛らしくて、ついつい衝動買い。

ゆったりと時間が流れていき、気付けば陽が傾いていて。そうして私は、コンビニで買ったアイスを片手に自宅へ帰るのだ。

 

 

そんな何でもない一日も、雨が降っていた。

足元に映った自分が、酷く小さく見えた。

 

 

 

《 終 》

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